HSP(繊細気質)の人は、家族、親族で介護の問題が起きた時に「私に期待されている」「私がやらなきゃ」と自分を犠牲にしてしまうことがあります。
私自身もその一人で、義母の在宅介護を8年間続けた結果、介護うつを経験しました。
今回は、HSPの私が実際に感じた介護のメリット・デメリット、そして「まず自分を守る」大切さについてお話しします。同じように悩む優しいHSPさんの心が少しでも軽くなりますように。
■ HSPの私が“介護モード”を発動した理由
義母は脳梗塞の後遺症で言語障害が残り、意思疎通が難しい状態になりました。
義姉夫婦が介護してくれていましたが夫婦仲が悪化して離婚にまで発展し、施設入居の話もまとまらないまま、私たち家族に「お前たち長男夫婦が面倒を見るべきだ」と連日の電話攻撃が続きました。
そして——
「私が引き受ければ丸く収まる」
HSP特有の“自己犠牲モード”が発動し、私は仕事を辞め、経験も知識もない在宅介護をスタートさせました。
【HSPが介護で感じたメリット】
① 言葉がなくても「気持ちを感じ取れる」
義母は言葉がはっきり出ませんでしたが、HSPの敏感さのおかげで「本当はこう言いたいんだ」と、表情や仕草から読み取れることが多く、介護関係者の方々にも驚かれました。
② 子どもたちが“老いることの現実”を学べた
小学生〜高校生という成長期に、「老いとはどういうものか」「人を助けるとはどういうことか」を身近で経験できたことは、子どもたちにとって大きな財産になったと思っています。
【HSPが介護で感じたデメリット】(圧倒的に多かった…)
① 家に“他人がずっといる状態”のストレス
年に数回会うだけだった義母が24時間家にいる生活。HSPにとって、自宅は唯一の「安心スペース」であり、1人になって心を休ませる時間も必要です。
そこが奪われたことで、常に気が抜けない・休まらないという見えないストレスが積み重なりました。
② 義母の感情エネルギーに巻き込まれる
やがて義母は認知症を発症し、イライラた怒り、不安のエネルギーが強くなっていきました。その矛先が“1番世話をする、嫁である私”に向きました。
言い返すとさらに怒りが増すため、受け取ったストレスを私の中にため込むしかありません。義母にとって実の息子である夫は仕事のためほとんど介護に携わることなく、相談をしても解決に至りませんでした。
③ トラブルが起きても「限界」が伝わらない
義母がトイレを詰まらせてからも一晩中 水を流すレバーを引き続け、1階を水浸しにした日も、そこここで粗相をするようになってからも、ケアマネさんには深刻さが伝わらず、家族からも「専業主婦なんだからできるでしょ」「しっかり者のお母さんならやってくれるはず」と介護が私の限界を越えつつあることに理解を示してもらえませんでした。
④ ついに「介護うつ」に
8年続いた介護生活の中で、友達と会う時間は消え、おしゃれや趣味を楽しむこともなくなっていき、朝目覚めても起き上がれない、何もしたくないという状態になり、ようやく周囲が「施設入居」を真剣に考えるようになりました。
■ 施設入居後に気づいた「もっと早く頼ればよかった」
義母は現在、プロのスタッフさんに適切にケアしていただき、家にいた頃よりも落ち着いて生活しています。怒りを爆発させることはなく、笑顔が増えました。プロの方たちの対応はさすがだと感心します。
「最初からプロに任せていたら、私だけでなく義母のためにも良かったのかもしれない」今はそう思っています。
■ 優しいHSPさんへ伝えたいこと
HSPさんは、
・誰かが困っていると断れない
・自分ががんばれば丸くおさまる
・相手の気持ちが痛いほど分かる
—そんなやさしさを持っています。
もちろん、育ててもらった親の介護をしたいという人もいるでしょう。
でもどうか、“自分の人生がいちばん大事” という選択を心がけてください。
介護は“家族の義務”でも“責任”でもなく、「できる人が、できる方法で」 で十分です。あなたの優しさが、あなた自身を苦しめませんように。
■ おわりに
私は8年間の介護で人生が壊れかけましたが、そこから抜け出し、今は穏やかな気持ちで義母と関わることができています。
HSPさんにとっては「No」と言うこともストレスのひとつであり、「私が引き受ければいいことだから」と自己犠牲の方を選んでしまいがちですが、「No」と言うことを含め
「やらなければならない」ではなく、「私の人生が幸せになる選択」
を選んでくださいね。それが自分を、また自分の心を守ることに繋がります。



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